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2018年5月 9日 (水)

聖書を信じて企業を発展させた人

 静岡県浜松市にある浜松ホトニクス(通称・浜ホト)の晝馬(ひるま)00000051000_1名誉会長が、今年3月29日91歳で亡くなられたと知りました。国民の殆どは名は知らなくても、「浜ホト」の光センサー製品は自販機やATM等の紙幣選別センサー(偽札発見器)、自動車の自動ブレーキセンサー、オートエアコンのセンサー、血液検査、CTやMRIなどの測定装置等々と多く、世界シェア40%を誇る日本を代表する企業ですから、何処かでお世話になっているはずです。
 圧巻は、ノーベル賞受賞に3度も貢献している実績であり、最初は小柴昌俊氏のニュートリノ観測装置「カミオカンデ」に用いた光電子増倍管の開発。次はピーター・ヒッグス氏の半導体検出器。そしてノーベル物理学賞に輝いた東大教授の梶田隆章氏をサポートしたことで、ノーベル賞の「陰の功労者」と称えられています。話題はこれだけにとどまらず、昼馬(ひるま)氏はキリスト教徒ではないそうですが、「福音書には絶対的真理がある」と毎日聖書を読むことを日課としていたそうです。
 以下は、日経ビジネスオンライン「時代のリーダー 晝馬(ひるま)輝夫・浜松ホトニクス社長」からの引用です。       ---引用開始-----
  社員に対しても、長ったらしく抽象的な訓示などしない。新入社員への訓示はこんな具合。「いいか。俺が言いたいことは、3つある。ひとーつ。ポケットに手を入れて歩く奴はうちの社員じゃない。ふたーつ。灰皿のないところでは絶対にたばこを吸うな……」。外国では知的交流、日本では「偽悪家」の顔を巧みに使い分けているのだ。少々変わっているのは、3番目の訓示だ。「みーっつ。福音書を買え。ただし読むな。買っておけば読みたい時に読めるじゃないか。冷蔵庫のビールと同じだ。おわりっ」。晝馬は実は、無教会派キリスト教に傾倒している。これは、内村鑑三によって切り開かれたキリスト信仰の解釈。教会や儀式など表面的なものは、本来の信仰にとって何の意味もない。それより、一人一人がきちんと福音書を読み、祈りによってキリストと向き合うことが大事だと説く。浜松ホトニクスを世界シェア40%の光電子管メーカーに発展させた、晝馬のエネルギーの源泉は信仰だった。---中略----
 
元々外国が大嫌いだった晝馬が、浜松ホトニクスの海外市場開拓期にあたるこの頃、ひと月の半分は海外出張で飛び回っていたのである。出張先では、言葉の通じないレストランに行くのが苦痛で、ホテルの部屋で、チョコレートと水だけで過ごした。飛行機に乗れば、落ちるのが心配で、捕物帳を読んで気を紛らし、ウイスキーの力を借りて眠りに就いた。「絶対的なもの」への信仰は、晝馬に情緒の安定をもたらした。捕物帳は間もなく用済みとなった。それよりも、晝馬は、欧米の経営者や研究者と知的な交流をするには、語学力より、信仰がカギであることに気付いた。晝馬はこう説明する。「絶対真理は、確かに存在する。そして、そこに向かって少しでも向上していくこと――これが、信仰であり、サイエンスの意味そのものにほかならない
  とあります。

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コメント

浜ホトは確かに「ノーベル賞学者御用達」と呼ばれるほどの有力企業であり、採用実績校も京大、早大をはじめ名門大学が名を連ねる(ただ、東大と慶大の名が見当たらなかった)が、如何せん「BtoB」企業であるため、恐らくこのブログ記事を見て初めて名を知った人もいるのではないかといったところで、そろそろその浜ホトの「協業パートナー」に「日亜化学工業」の名が見られ、言わずと知れた青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村氏が所属していた会社であるが、中村氏が現在米国籍なのは日本の研究環境や研究者処遇に対する抗議の意味ではなく、米国で研究する上で、こうしないと軍から研究予算がおりないからであることにも言及頂きたいかと…。

投稿: | 2018年5月 9日 (水) 12時55分

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