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2015年11月16日 (月)

働き一両、骨知り五十両、ひらめき百両

 数年前ですが、ドトールコーヒーの鳥羽博道氏が日経新聞の「私の履Image8歴書」に連日掲載されていたことがありました。中でも、この言葉が最も記憶に残っていたのですが、最近、その記憶を呼び戻す機会がありました。
  働き一両、
 考え五両、
 知恵借り十両、
 骨(コツ)知り五十両、
 ひらめき 百両

 また、横浜のマンション傾斜や立川市役所庁舎の雨漏りなどが問題になっていますが、鳥羽博道氏の言う『品質は人質』、『長の一念』、「因果倶時(いんがぐじ)」という言葉にも深く共感しています。
 建物に限らず、物事の品質を支えるのは全て人であり、トップの考え一つで品質を上げ下げすることになるのです。現場の作業員に責任を押し付けることは、もっての外です。
 「現在の果を知らんと欲すれば過去の因を見よ」です。
 「長として立つ人の一念によってすべてが変わる」のです。
 因みに、「ひらめき百両」の後には続きがあります。
 人知り三百両  歴史に学ぶ五百両 見切り千両 無欲万両 です。
 つまり、普通の働きが1なら、考えて働くことは5倍の価値が生まれ、更に知恵を借りることは10倍の価値、コツを教えてもらえば50倍の価値、閃きは100倍の価値、人脈は300倍の価値、歴史に学べば500倍の価値、幾ら努力しても駄目なら諦めることも1000倍の価値、そして無欲こそが一万倍の価値があるということか・・・・・・
 出羽国米沢藩(現・山形県)の第9代藩主・上杉鷹山公の言葉のようです。
■[日本経済新聞] 私の履歴書鳥羽博道-25)
 今までに、いくつかの言葉が私の支えになってきた。Logo_doutor_2
 自分で商売を始めて間もない頃の事。仕事に追われていた私は、社員の動きが極めて緩慢に見えた。今思えば社長と社員では立場が違い、働き方が違うのも当然なのだが当時は苛立ちを感じた。その時「長の一念」という言葉を知った。課なら課長、部なら部長、社なら社長。長として立つ人の一念によってすべてが変わる。問題は社員ではなく、すべて社長の自分にあると考えるようになり、社員への苛立ちも消えていった。色紙にこの言葉を書き、朝出社すると毎日見るようにした。
 ある時。ゴルフをしているとコースの途中になぜか石碑があり、「働き一両、考え五両」と彫ってあった。私は「はっ」と立ち止まった。すごい言葉だと思い、記憶に留めた。考えとはアイデアの事だと私は理解した。
2009226
 一の努力は一の成果しか生まないが、アイデアを持って一の努力をすれば五の成果が出る。世の中には努力する人や一生懸命な人はゴマンといる。アイデアを持って努力しなければいけないと痛感した。私はこの言葉を非常に気に入り、紙に印刷し工場や本社に貼った。また、上場しようと準備を進めていた頃の話。それまで大家族主義で経営してきたが、いろいろな面で上場のため組織化が進むにつれ、会社を経営する事がつらくなってきた。ある人に悩みを打ち明けると「鳥羽さん、リ-ダーは『主師親の三徳』を備えなければならない」と教えてくれた。
 主人としての面倒見。師匠の指導力。そして親としての厳しさと温かさ。肩書や地位で怒るのと違い、親として怒るのは厳しさの中に温かみがある。「そうか、分かった」と胸のつかえが取れ、はらはらと涙が流れた。組織という冷たさの中にも情が通っていなければいけないと思った。
 「品質は人質(じんしつ)」も好きな言葉だ。
 品質の追求とは全精魂をつぎ込む格闘技のようなものだ。私達がコーヒーの焙煎技術をすべて解明するのに四十年かかった。品質に妥協しなかったからこそ得られたノウハウだ。
 そうして確立したノウハウも、最終的に駆使するのは人なのだ。今、私が会社からいなくなり、かえって品質が良くなった。嬉しい話だ。工場の人たちが、私に文句を言われないために頑張るのではなく、自分自身と戦っていてくれる事の証拠だからだ。
 数多の言葉の中で、一つ座右の銘を挙げるなら「因果倶時(いんがぐじ)」になる。原因と結果というものは必ず一致するという釈迦の言葉だ。現在の果を知らんと欲すれば過去の因を見よ、未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ。この言葉を知った時、身の引き締まる思いがした。現在の自分は過去の積み重ねの中にあり、将来の自分がどのようになるかと考えるなら、一日一日の積み重ねの中に将来の自分がある、と理解した。
 人生の真理をこれほど厳しく、短く突いている言葉は無い。この言葉を知った時、恐ろしい思いがし、一日一日を真剣に生きよう、いや一日どころか一分一秒もおろそかにはできない、と息の詰まる思いがした。私はこの言葉を忘れないよう紙に「因果倶時」と書き、会社の机の横に貼り、出社する度に「今日一日が将来につながるのだ」と自分に言い聞かせ、仕事に打ち込んできた。
 -----日本経済新聞2009年2月26日----

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